第5回 本だけですべて上手くいけばみんなトレーナーになれる?!
みなさんは、しつけに関する本をどのぐらい読んでいますか?実際のところ、読んでみてどうですか? お宅のワンちゃんはいい子になりましたか?おそらく多くの方が、挫折と混乱に見舞われていると思います。実際、私がお客様のおうちにお邪魔すると、皆さん本やインターネットで調べて色々試していらっしゃるようですが、結局のところトレーナーを頼むということのようです。本やインターネットで調べた情報には完全に一方通行でしかないという落とし穴があります。今飼い主さんとワンちゃんの関係がどういった状態にあるのか?どういう性格のワンちゃんなのか?等わからない状態で、こうしてください、ああしてください。というようなことが多いので、どうしてもうまくいかないというのが現状だと思います。しつけをする際、まず行動するより、ワンちゃんと自分の関係、ワンちゃん達の習性、習慣を理解することが先なのです。
あなたは自分の飼っているワンちゃんに対して何を望みますか?
性格がよく、思いやりがあって、頭がよくて、勉強ができる。しかもスポーツ万能でルックスが良くてみんなから好かれている。なんて人はまずいませんよね?ワンちゃん達だって同じこと。人間にとって必ずマイナスの面を持ち合わせています。ですから、そのマイナス面を受け入れた上で、自分の相棒にどうあってほしいのかを伝えていくのがいいと思います。それ以上に飼い主さんの方が、犬から望まれるリーダーになることが先決です。
今流行りの陽性強化(褒めてしつける)だけで本当にいいの?
褒めて育てる!私も大いに大賛成です。というのは、よく、警察犬の訓練士さん(私もそうなのですが)は犬に厳しくて怖い、犬の行動をすべて叱って強制していくと思われがちなのですが、実はめちゃくちゃに褒めます。周りの人から見て「ちょっと変なんじゃない?」と思われるぐらいの褒め方をします。さらに犬に達成感や満足感というものを上手く持たせて訓練していきます。要は、「褒めてしつける」なんてことは、実はとうの昔からあることで、何ら新しいことではないということです。しかし、褒めてしつけるだけでいいのでしょうか?
子犬の頃から犬達は一つの群れというものがあります。その中では強い者がいれば弱い者もいて、自然と序列というものが決まってきます。その群れの中で、遊んでいる最中にあまりにもしつこくて、喧嘩になったり、遊びが中断してしまったりと、自分がしつこくしたり、噛むのが強すぎたりしたことで、自分にとってマイナスなこと(ここでは喧嘩になったり、遊びが中断してしまうこと)が起きるということを学習していきます。つまり、生まれて数週間の間ですでに、陰性強化(陽性強化の逆)によって学習し始めているのです。
もちろん褒められて嬉しいという気持ちを持たせていくことはとても大切ですが、時には叱られる(だからといってどなったり叩いたりということではないですよ)という行為によって「怖い」、「嫌だ」といったマイナスな気持ちが必要なのです。ワンちゃん達はこの単純な二つの気持ちで多くのことを学習し理解していくのです。
しかし、多くの飼い主さんを見てきましたが、飼い主さんは一生懸命褒めているのですが、ワンちゃんは全然喜んでいなかったり、叱られてもなんとも思っていないワンちゃんが多いですね。要は飼い主さんがしっかりとワンちゃんのリーダーになって慕われていないと褒めようが、叱ろうがまったくもって悲しいですけど、意味がないんですねぇ・・・。
株式会社道楽 顧問ドッグトレーナー 長澤 拓真
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