第4回 犬の言っていることを理解してあげよう
ご存じの通りワンちゃん達は言葉をしゃべることができません。しかし、色々な方法や、行動で、飼い主さんや同じ犬に意志を伝えようとします。人間から見れば何なのかわからなかったり、見落としがちな行動でも、しっかりと意味を持っているのです。飼い主さんはワンちゃん達のリーダー(ボス)でなければなりません。そのためにはワンちゃん達がいったい何を考え、何と言っているのかを理解し対応してあげる事が大切だと考えます。今回はワンちゃん達がどのように意思を伝えようとしているのかをいくつか紹介させていただきたいと思います。
◎吠える
犬は『吠える』ことが仕事のような動物です。昔から人間がよく吠えるようにと選択交配してきているので、仕方ないのかもしれません。しかし、四六時中吠えていると、ご近所さんの迷惑にもなりますし、人間の方としても耐えがたいものです。よく「無駄吠え」なんて言葉を聞きますが、ワンちゃん達にとって無駄に吠えるなんてことはなく、何かしらの意味だったり伝えたいことがあるのです。ですから、何かを要求して吠えているのか、それとも警戒して吠えているのか、さみしくて不安で吠えているのか、などボスである飼い主さんはすぐに読み取って、わがままを言って吠えているなら無視を決め込んだり、警戒して吠えているなら、その原因を取り除いたり、慣れてくれるようにしつけしていったり、不安なら解消する方法や、上手な留守番などの仕方を考えたりして対処していかなければなりません。しかし、間違った対処の方法や、ワンちゃん達の要求を聞きすぎていると必ず飼い主さんを自分の下だと思うようになっていくでしょう。
◎カーミングシグナル
カーミングシグナルとはcalm:鎮める、落ち着かせるsignal:信号、合図 という言葉が合わさって出来たもので、つまりはボディランゲージのことです。もともと群れで生活している犬達は群れの中での他の犬達と争いを避けるために本能的に持っているシグナルで、子犬のころに母犬やほかの兄弟犬と生活することで「社会性」というものを見よう見まねで覚えていきます。これを知ることでワンちゃん達が行っていることが少しわかるかもしれません。いくつか紹介したいと思います。
・座る
争いごとを避けるためや、服従と安全を確保する行動。
・あくびをする
相手に落ち着いてほしい時や、犬がストレスを感じた時などに出す。
・前足を前に出し姿勢を低くする
遊びの誘いや抑制させるポーズ。この体制で相手の下にもぐる様にしたりこの状態から横になったり、お腹を見せる状態になれば、より強力なアピールになる。上位の犬が下位の犬に対しても行われ、今は遊びたい、飛び付いてもいいよと伝えているようです。でも背中には乗せない。
・前足を上げる
緊張や興奮している自分を強く落ち着かせようとしている仕草。警戒態勢に入る自分の緊張を鎮めるために、前足をあげるのと同じようです。ちょっと落ち着かない場合に出す。
・首をかく
嫌がっていたり、やめて欲しい時に出す。もういやになっている表現。
・噛んだ後舐めてくる
ちょっと危険な犬の状態。咬んだことを後悔して「謝っている」ように思えますが、飼い主さんが勘違いする行動です。 実際には逆の行動で「もう逆らうなよ」と表現してることが多い。
ちょっと上げただけでもこれだけあります。このような行動を知っていると、しつけをしていく上で人間の目線で見た間違った解釈や、思い込みなどをしなくなってくるのでワンちゃんの気持ちを読み取りしつけをしていく面で大いに役立つでしょう。
私のかかわってきた犬で、体重50キロにもなる超大型犬がいるのですが、飼い主さんはずっとその子がハグが大好きなものだ思っていたそうです。しかし実際は何かあると飼い主さんや他の人間の肩に両前足を駆け、立ち上がって見せることで、「どうだ!俺はこんなにでかいんだぞ。お前なんかよりも強いんだぞ!」というような意思表示でした。それを飼い主さんはいっぱいなでてあげていたそうです。ワンちゃんからしてみれば「そうですね、あなたには敵いませんよ。」と言われているようなもの。これでは、いくらいい子にしてほしいと思っても無理ですよね。ですからボスでなければならない飼い主さんは、自分の相棒の言っていることを少しでも理解して対処をしていくことがいい子を育てる近道なのです。
株式会社道楽 顧問ドッグトレーナー 長澤 拓真
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