2010年07月20日
第19回 吠えるワンコの本音(その1)
私が、新規で訓練希望のお客様からお問い合わせをいただく時、困った行動のほぼトップに来る、『無駄吠え』
そう言えば、しっかりお伝えしていないな(反省)?ということで、今回からワンコ達の『吠える』という行動について、お話させていただこうと思います。
今回は、吠える行為についての対処法ではなく、飼い主様達に「なぜ吠えるのか?」「どんな時に吠えるのか?」等、少し考えてもらおうと思っています。
●犬はなぜ『吠える』ようになったのか?
犬という動物は、皆さんご存じのように祖先をオオカミに持つ動物です。その時代からコミュニケーションをとるためにボディーランゲージや、唸ったりじゃれたり吠えたりして、お互いの意思の疎通を図っていましたし、群れや子を守るため(防衛本能)、群れの中の自分の地位を誇示するため(闘争本能)、獲物を追いたてるため(狩猟本能)にも、吠えるという行為は使っていたでしょう。しかし、もともとオオカミやキツネといったイヌ科の動物は犬ほど『吠える』という行為を盛んにおこないません。
ではなぜ、犬だけこれ程吠えるようになったのでしょうか?それは、狩猟時に獲物を追い立てたり、足止めさせるためだったり、番犬として部外者を威嚇するためだったり、牧羊牧畜において家畜をまとめるためだったりと、大きく連続して吠えれるように人間の手によって交配し『吠える』形質を強めてきた結果なのです。
先日何かのテレビでちょっと見たのですが、狐を研究している方がより人に慣れるようにと、何代にも交配し続けた結果、体の色はまだらになり、人間に非常になつっこくなり、色々なトレーニングを行うと、イヌと同じような感覚で色々な事を覚えるようになったそうです。また、とにかく吠えるようにもなったそうです。これは、野生下の狐では絶対にあり得ない事だそうです。
この様にして人間の都合のいい形に交配され続けている事からもわかるように、犬達の本質としては『吠える』事が仕事になっていますし、『吠える』という行為は最も犬らしい行為なのかもしれませんね。
●良く目にする犬達の吠えるパターン
―――室内飼いの場合―――
・インターホンで吠える(一番多いかな?)
・外での物音、気配に吠える
・留守中ずっと吠えている
・外出時、帰宅時に興奮して吠える
・ご飯、散歩の準備をすると吠える
―――屋外飼いの場合―――
・通行人や散歩中の犬、バイク、自転車等に吠える
・来客、訪問者に対して吠える
―――お散歩・外出の時―――
・散歩中の犬に対して吠える
・人や車、バイクなどに吠える
・車の中から外部の者に対して吠える
・いつも行っているドッグランや広場に近づくと吠える
どうですか?心当たりありませんか?
●良く吠えるといわれている犬種
番犬、護衛犬・・・日本犬(柴犬、秋田犬、甲斐犬、紀州犬など)、シェパード、ドーベルマン、日本スピッツなど。
狩猟犬・・・ビーグル(ウサギ狩り)、フォックステリア(狐)、シュナウザー(ネズミ)、ダックス(アナグマ)
牧羊、牧畜犬として・・・コリー、シェルティー、ビアデッドコリー、コーギー
愛玩犬・・・ポメラニアン、ヨークシャテリア、パピヨン、チワワ
その他・・・各テリア犬種
結構今の人気犬種が入っていますよね。今年のJKCの登録頭数上位の犬ばかりです。いくら姿かたちが可愛いからといって元をたどれば吠えるように交配されてきた犬ばかり。吠えるために生まれてきたといっても言い過ぎではないのです。
●吠えるな!というのは人間のエゴ?
今、このような犬種の多くは都会に住み、家の中で飼われる事が当たり前になってきています。そこへ来て、『吠えるのは困る』というのはどう見ても人間のエゴとしか言いようがない気がします。しかし、飼った以上何とかして周囲の方に迷惑にならないようにしたいというのが、親心というものですし、場合によっては、良く吠えている犬には相当なストレスがかかっている場合がありますから、しっかりと飼い主様が教えてあげられるようにならなければいけません。
いかがでしたでしょうか?昔は吠えないと、『使えない犬』と呼ばれ、人口過密な現代では吠えると周りから白い目で見られ、人間とは何と身勝手なんだろうと思ってしまいます。実際に不要な犬を引き取る【動物愛護センター】の統計では『無駄吠え』という項目が『咬み癖』と並んで、不要な犬とされる理由の上位を占めているそうです。『吠える』行為を止めてあげられるだけで、この様なかわいそうな犬達を減らせると思うのです。
次回は、実際にワンコ達の吠えている意味等をお伝えしていきたいと思います。
株式会社道楽 顧問ドッグトレーナー 長澤 拓真
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